推理小説は昔から人気だった。
小学校の教室の後ろにある学級文庫には必ず誰かが持ってきた乱歩やシャーロック・ホームズ、ルパンの小説が並んでいたし、図書室に行けばポプラ社の推理小説全集(何という名前だったか?)がヘビロテのあまりボロボロの状態で置いてあった。
全集の中ではやはり乱歩の少年探偵団シリーズとルパンシリーズが人気で、その他の作家、高木彬光や海野十三の作品もあったと思うがあまり人気がなかった。
横溝正史の「幽霊鉄仮面」という作品もあったが、あまりピンとこなかった。
同じ頃、「少年マガジン」で影丸譲也先生の「八ツ墓村」も連載されていたけれど、ホラー臭が強すぎて受け付けなかった。
ところが中学生になるといきなり角川文庫での横溝正史ブームが起こった。
独特の耽美的な表紙のイラストと共に横溝正史、金田一耕助の名は不動のものとなった。
最初に読んだのはこのカバーのこれ。
今考えると、ディクスン・カーのと同じタイトルなのね。