奇妙なバイト

下の姉の勤めていた新聞社でバイトした事があった。

仕事の内容は、元の統計資料とコンピュータにパンチしたデータの結果を比べて間違いを伝える、そうすると専属のパンチャーの人が正しいパンチカードを作成してコンピュータに投入するので、それを再びチェックする、これを5日間行った。

 

自分以外にはその新聞社のお偉いさんのご子息らしいK大学の学生二人がいて、チェックを続けたのだが、途中で「おや?」と思い出した。

正しく投入されたデータのプリントアウトをチェックするのだが、その比較対象は間違っていた方のプリントアウト、つまりは修正する前のものなので再び同じ個所が違っている事になる。

それをパンチャーの人に提出して、又プリントアウトして、間違っていた方のプリントアウトと比較して……を延々繰り返している。

バイト仲間にそれを伝えると「別にいいんじゃない?」という返事だったので、5日間不毛な作業を繰り返して結構なお金を頂いた。

 

まだ誰もコンピュータなんて使えなかった頃だし、仕方なかったのかも。