井戸のある暮らし

子供の頃は家に井戸とそこから水を汲み上げるポンプがあった。

地元は地下水が豊富だったようで、皆「カルキ臭い水道水なんて飲んでられっか」という感じだったらしい。

井戸がなくなって水道水に変わった際にも大人たちは「カルキ臭い」を連発していたのを覚えている。

子供の時分はカルキが何なのかわからないままだったが、東京で暮らすようになってから水道の蛇口の周りにびっしりとつく白い固まりを見て、「ああ、これがカルキなのね」と理解した。