裁判所に呼ばれた

西荻で暮らしていた頃、移動は主に自転車だったが、当時乗っていたミラージュで行く事もあった。

そういった場合はどこか通行量の少ない道に路駐しておけばいい、という事がまだまかり通った時代だった。

 

だがある朝、自分の車に近付くとフロントガラスに不穏な張り紙が。

正確には覚えていないが、「長期にわたる路上駐車でこれは駐車違反ではなく車庫法違反に該当するので、錦糸町の簡易裁判所まで出頭されたし」という文面だった。

 

錦糸町に行くのは高校生の頃に好きだったバイト先の新小岩のお姉さんに会いに行った時以来だった。

裁判自体は、何だか入国審査みたいな窓口に並んで、係の人が主文を読み上げて、こちらが「間違いありません」と言えば終わりで、裁判所内の納付窓口で罰金を払って放免されるおよそ一時間の出来事だった。

 

調子に乗っていた。

こんな感じのふわふわした生き方が続いてやがて取り返しがつかなくなるんだなあ。