西荻生活

色々と調子に乗っていた時期だった。

大学の助手の仕事が忙しく、ピーク時には週に3コマ担当する学期もあって、地元との往復が面倒くさくなっていた。

ガールフレンドは新玉川線沿線に住んでいたのでクルマで送っていくのも一苦労、ならば都内に家を借りようと考えて大学に自転車でも通える距離圏内の石神井公園辺りの物件を探した。

結局いい物件がなかったので西荻窪に住んでいたR君の家に転がり込んだ。

 

生まれて初めて地元を離れた記念すべき場所は全く予想外の、初見に近い杉並区だった。