主食は蒸しパンだった

パチンコで懐が潤おうまでは生活が苦しかった。

毎朝ばあちゃんから500円もらって学校に行くのだが、何しろ食べ盛りなのでいくらあっても足りなかった。

午前中の2限目が終わるともう腹が減り、食堂に行って着いたばかりの出入りのパン屋のおじさんから一番人気のダブルクリームサンドを買う。

それを食べても4限終わりには腹が減っているので、学食ですうどんを食べて腹を満たす。

 

午後の5限、6限が終わる頃にはもう空腹なので、裏門の脇にあった蒸しパン専門店に駆け込んで蒸しパンを買って頬張る。

これでようやく夕食まで持つ気がして満足する。

 

蒸しパンのコストパフォーマンスたるや、凄いと思わざるを得ない。

だったらダブルクリームじゃなくて最初から蒸しパン食えよ、と思うかもしれないが、ダブルクリームにはダブルクリームの良さ、限定商品ならではの価値があったので買わずにはいられなかった。

 

それにしても裏門そばの蒸しパン専門店、陳列棚に蒸しパンしか並んでなかったけど、蒸しパンの専門店というのは商売として成り立つものなのだろうか?