S君と花火

高校の友達にS君という奴がいた。

両親共に教育者というお堅い家庭に育った好青年だったが、ややワイルドな所があった。

 

音楽はチューリップを崇拝していて、家に泊まりに行くと、とにかく聴けの一点張りで「夢中さ君に」の「財津さん!」という駆け合いをやらされたりした。

夜中に近所の原っぱで花火大会をやり、ロケット花火や打ち上げ花火の手持ちというのをやったのもこの時が初だった。

さあ、寝ようかとなった時にはいきなりパンイチになり、あー、こういう外国人俳優みたいな人にも初めて会うと思った。