旅立ちの時

当たり前だが、楽しかった高校生活も終わりを告げる。

幸いにして都下にある私立大学に奇跡的に合格したために、高田馬場にある一橋予備校に通って富士短期大学のお姉さんと遊ぶ計画は幻に終わった。

 

もちろん合格するとは思っていなかったので合格発表も見に行かなかった。

朝からパチンコをして、帰宅したら学校から「合格」の連絡が入っていて、明日学校に来るようにとお達しがあった。

 

翌日登校すると、担任から開口一番「お前みたいのが受かると他の真面目な生徒に示しがつかんのよね」と言われた。

へらへら笑っていると担任は真顔になり、「お前、入学する大学の場所くらい知ってるよな」と尋ねてきた。

 

実はその大学を受ける他の生徒に試験当日、大学まで連れて行ってもらっただけなので、どこにあってどう行けばいいのかよくわかっていなかったのを勘付かれたようだった。

「頼むよー」

頼まれてもなあ。