アメリカのマニュアル Chicago – Hard to Say I’m Sorry

論文を書く時に英語で書かれた文献を読んだり、コピーを取ったりしたが、アメリカの巨大情報機器会社(International Business Machine)のマニュアルに触れるのは初めてだった。

よく見ると、空白ページには必ず

This page is intentionally left blank.
このページは意図的に空白にしています。

という一文が入っている。

 

いや、そんな事言われなくてもわかるよ、となる所だが、全ての空白ページがどこまでも律義にその扱いだ。

最近の日本の企業のマニュアルは大分変化したろうが、昔は「言わないでもわかる、当然だよね」という事については暗黙の了解という形で明文化されていなかった。

「一を聞いて十を知る」という諺の通りだ。

 

ところがアメリカのそれは「一を知るためには十を記す」となっている。

有名な裁判事例の「電子レンジにネコを入れないでください」のように普通は起こりえない事についてもちゃんと明文化する。

これにより、様々な教育レベルの人が扱っても均一に使えるマニュアルというものが誕生したのだと思う。

入社前だったが、変に明文化せず、「いや、察せよ」という日本流はグローバルに考えると危険を伴うんだな、としみじみ思った。

 

Chicago | Hard to Say I’m Sorry(1982)