内定者フォローアップで聞かされた真実

今もあるかわからないが、当時は9月1日の会社訪問解禁日には内定者を他の会社に行かせないために、その日の行動を抑え込むというのが普通に行われていた。

内定をもらったビッグ8監査法人もご多分にもれず、その日は先輩社員がランチをご馳走してくれるというので出かけていった。

 

向かった先は青山の草月会館にあった「薔薇」。とても素敵なレストランだった。

相手をしてくれたのは優しい先輩で、この人なら信頼してもいいかもと思ったが、その後すぐに退社したようだった。

その十数年後に別の会社で再会するが、それは又別の話。

 

ランチを食べ終わって一服しながら先輩が「何か不安な点や質問ある?」と聞いてきたので、「トランスファー願いはいつ出せばいいのか?」と言うと不思議な表情を見せた。

先輩によれば内定をもらったシステムコンサルティング部門から監査部門にトランスファーというのはほぼない話で、東京オフィス内でもそんな感じなのにましてやLAオフィスとなんてありえないという事だった。

「だまされたんですかね」と言うと、OB訪問で会った先輩の名前を出して「あの人ならやりかねないな。何か企んでるから気を付けな」と忠告してくれた。

 

とりあえずは働く事が大事、トランスファーは別の機会にゆっくり考えよう、そう考えて青山を後にした。

 

Thompson Twins | Megamix(1983)