小学生あるあるだと思うが、大人の本を拾う奴は大抵決まっていたような気がする。
缶蹴りをしていようが、秘密基地を開拓していようが、そいつは必ず夜露に濡れた大人の本を拾ってきた。
写真中心だろうが、漫画中心だろうが、皆でそいつが拾ってきた大人の本をしばらく黙ったまま読みふけるのが常だった。
多分大人の本の捨て場所を探り当てる特殊能力が開花していたのだろう。
大学生が多く暮らすアパートの裏、大きな寺のある山の脇道の奥、そいつは必ず獲物を仕留めてきた。
というか、そんなにたくさん大人の本が捨てられている環境ってどうだったんだろう。