エポック社のサッカー盤で初めて遊んだのはいつ頃だろう。
多分「魚雷戦ゲーム」と同じ頃に家にあったと思うから1960年代後半かな。
夢中になって相手ゴールにボールを入れようとしてセンターフォワードのグリップを力任せに押した時のあの嫌な金属同士が擦れる音、
敵味方どちらの選手も届かない場所にボールが止まった時の間抜けな気持ち、
ゴールキックが飛び過ぎてスタジアムの外に出てしまった時の気まずさ、
そういったゆるさが「サッカー盤」の面白さなんだと思うのだが、最新のバージョンを見て驚いた。
グリップにはソフトな加工が施してあるし、溝があるから誰も触れない位置にボールが行く事もなく、シュートを打ちやすい位置で止まるようになっている。
何よりも驚いたのは掲示板が電子機器っぽくなっている。
自分が遊んでいた当時は、黒い板にチョークで書かれた実際の競技場のボードを再現したような実業団リーグのチーム名が書かれた紙が付いていた。
「古河」、「日立」、「三菱」、子供でもわかる名前の中に「名相銀」というチーム名があった。
漢字は読めたのだが、めいそうぎん とは何を意味するのか全くわからなかった。
70年代に入り、天皇杯を含めて日本サッカーリーグをちゃんと確認するようになる頃には、名相銀の名前はなくなっていた。
名古屋相互銀行、強かったのだろうか。