自分が生まれ育った町は城下町だ。
「郭町」、「城下町」、「江戸町」といったいかにも城下町的な名前もあったし、「札の辻」、「鍛冶町」、「大工町」、「神明町」、「黒門町」なんていう東京と同じような名前の地名もたくさん存在していた。
城下町なので当然、町には全ての機能が盛り込まれている。武家屋敷の一帯、寺町、商家、そして三業地。
東京くらい大都市になれば三業地は吉原のように完全に独立した一角を占めるのだろうが、何せ小さな町である。商店街を歩いていると突然そこが三業地に変わるという雰囲気だった。
自分が生まれ育った町の近くにも三業地があり、クラスメイトにもそこの出身者は多かった。自分の叔母も三業地の遣り手婆が手塩にかけて育てたエリート銀行員の所に嫁いだりしていた。
最近何気なく観ていた「ぶらり途中下車の旅」か何かでなぎら先生が地元の芸者横丁を訪ねていた。
ああ、芸者横丁、そんなのあったなー
高校生の頃、近所のうどん屋でうどんを食べた後、ここに潜入しようかという事になったがビビって入れず、「キャバレー月世界」と「芸者横丁」の二大廃墟には近付かない方がいいという結論になった。
テレビではこの横丁がリノベーションプロジェクト真っ最中という事で取り上げられていた。
その内、自分が生まれ育った近くの三業地もリノベされるのかな。
Talking Heads | Burning Down the House(1983)