父親は第一次オイルショックの寸前に脱サラして独立し、税理士事務所を開業した。
タイミングが良かったせいか、生活は困窮する事もなく、むしろ以前よりも豊かな生活を送れるようになった。
高校生になると学校と駅のほぼ中間地点にあった自分の自宅はいつの間にかバンド仲間やクラスメートの立ち寄り先になった。
家に帰れば、誰かがすでに来ているか、誰かがやってきた。そして4人以上揃うと麻雀の開始だった。
3人の時には勝手に仕事を切り上げた父が嬉しそうに麻雀に参加した。
こうして毎日のように麻雀をしたが、いつもばあちゃんがおやつと称してハムサンドを出してくれた。
普通の食パンを切って、そこに普通のハムをはさんでバターを塗っただけのシンプルなサンドイッチだったが、これが妙に好評だった。
ばあちゃんは大学2年の時に亡くなったので、それ以降の家庭麻雀では当然ハムサンドは出ず、近所の中華料理屋のカツカレーが定番となった。
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