男子は皆、怪獣に夢中だった。
自分の場合は1968年だった気がする。
当時、冷蔵庫の脱臭剤ノンスメルを買うと「怪獣トランプ」が当たるという懸賞企画があり、そのトランプが欲しくて欲しくてたまらなかった。
でもノンスメルは消耗品じゃなく年末の大掃除の時に買い換えるものだから、そんなに頻繁に応募できるものじゃない。
半分あきらめていた時に救世主が現れた。
クラスメートのじゅんぺい君のお父上が日用雑貨品の卸会社を経営されていて、「怪獣トランプ」なんか腐るほど持っているという噂だった。
学校帰りにじゅんぺい君の家に行くと、本当に無造作にトランプが転がっている状態だった。
ボ・ク・タ・チ・ト・モ・ダ・チ・ダ・ヨ・ネ
セミ人間に操られるガラモンのような状態で、じゅんぺい君と一緒に宿題をやり、怖かったけど飼っているシェパードとじゃれ合い、きれいなお母様にハキハキとした口調で接したおかげで、帰り際に「怪獣トランプ」を2組ももらった。
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