合コンの記憶 Kajagoogoo – Too Shy

人生において合コンに参加した事が一度だけある。

元々酒を飲まないし、大学もそういう感じの雰囲気ではなかったので、「合コンやろうぜ」という話になる事は全くなかった。

 

たった一度だけの体験はバイト先の地元の喫茶店からだった。

地元近くの大学に通っている同じフロア担当の後輩が「カッコいい大学行ってるから合コンとかやり放題なんでしょうねえ」と聞いてきたので、「いや、一度も行った事ない」と答えたら、「そりゃだめです。やりましょ、やりましょ」と言って、数日後の合コンに招待してくれた。

 

池袋にあるお店で相手はどこかの短大の家政科、4対4の合コンだった。

酒が飲めないせいもあり、乾杯だけで大分気持ちよくなり、適当に場の雰囲気に合わせて話をしていると、いつの間にか終電の時間が過ぎていた。

次の日の受け持ちの授業もあるのでタクシーで帰ると言い、飲み直すと言う後輩たちを残してタクシー乗り場に向かうと、「あたしも行きまーす」とほとんど話をしなかった一人の女の子が付いてきた。

あれ、同じ方向かな、まあ、いいやと眠い頭で思ってタクシーに乗ったが、成増の辺りでその女の子が車を降り際にぎゅっと手を握ってきて「ねえ、飲み直さない?」と言ってきた。

「明日授業あるし、飲み直さしません。じゃあさようなら」と言ってそのままタクシーで自宅まで帰った。

 

後日、バイト先で後輩にその話をしようと思ったら向こうが先に「〇〇ちゃん、悲しんでましたよ。連絡くれないって」。

どうやらタクシーの女性とは別の隣の席に座っていた女性とデートの約束をしていたらしい。

何も覚えてなかった。

 

Kajagoogoo | Too Shy(1983)