何故、未就学児が「棒高跳び」という漢字を読めたのか?
それはばあちゃんの力に依る所が大きかった。
ばあちゃんは亡くなったご主人(僕のじいちゃん)が某大手新聞社に勤めていたおかげで、かなりの額の遺族年金をもらっていたようだ。
姉たちは成長し、お金を使う対象の内孫が自分以外にいなくなった事もあり、ばあちゃんは大盤振る舞いをしてくれていた。
その一つが少年マガジンの定期購読だった。
毎週、火曜日だか水曜日だかになるとばあちゃんがくれた50円を握りしめて近所の駄菓子屋兼雑貨屋にマガジンを買いに行った。
幼稚園に行く頃には、マガジンに載る漢字(フリガナ付きだったが)はほとんど読めるようになり、近所のお兄ちゃんたちに読み聞かせをしていた。
覚えているのは一峰大二の「ウルトラマン」のバルタン星人の回をお兄ちゃんたちに読んであげた時に、台詞だけでなく擬音まで読むように求められた事だ。
「ふぉっふぉっふぉっ」(星人の声)
「シャー」(スペシウム光線の音)
今考えると紙芝居屋のおじさんと変わりないぞ。
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