小学2年生の時、それほど仲良くなかったクラスメートの家に遊びに行った。
その子の家は教師の父と主婦の母、自分の家とあまり変わらないごく普通の家だった。
しばらく遊んでいると、突然その友人が「いいもの見せてあげようか」と言い、書斎に案内してくれた。
そこにあったのは部屋一面に広がるドイツメルクリン社製のHOゲージのジオラマ(当時はそんな呼び名はなかった)だった。
ねえ、触ってもいい?
うーん、いいけど壊したら弁償できないよ
家に帰ってもメルクリンの事が頭から離れず、熱が出そうになった。
きっと友人のお父様の趣味だったのだろうけど、何故自分の父は麻雀とパチンコと釣りしかしないのだろうと思った。
大人になったら絶対コレクションしようと思ったが、結局一回も買った事がない。あまり電車に興味がないみたいだ。