借家だったけれど戸建てに住んでいたので、家には縁の下、床下というスペースがあった。
縁の下はメンコや怪獣のガチャガチャの隠し場所だったが、その奥には「家の主がいる」と言われたので決して近づかなかった。
大雨が降ったりするとたまに大きなヒキガエルが出てきたのであれが主だったのかもしれない。
台所の床下は収納スペースとなっていた。
ばあちゃんが「よっこらしょ」と言いながら、床板を持ち上げて中にある漬物の壺をかき回すのが日課だった。
ここには主はいなかったが、中に入った事はなかった。
外から床板を閉められたら二度と出られなくなると信じていたからだ。