あぶらにまみれたプレイボーイ

Wikiによれば月刊プレイボーイ、いわゆるプレイボーイ日本語版の刊行は1975年らしい。

つまりそれ以前に国内で流通していたプレイボーイは検閲済みですでに黒塗りされていた正式輸入版か、諸先輩たちが命懸けで運んできた密輸版しかなかった訳だ。

密輸版を初めて見た時の衝撃は一旦置いておいて、正式輸入版の黒塗りは消えるんじゃないか、これについては諸先輩方の時代から幾多の考察・試みが行われてきた。

 

自分が初めてそれにお目にかかったのは中学生の時、確か「プレイボーイ」、「ペントハウス」、「ハスラー」あたりが近所の大学生のお兄さんのアパートにあった。

許可をもらい、ドキドキしながらページをめくると何か不思議な匂いがする。

どうやらその先輩はマーガリン派だったようだ。

 

匂いの理由を尋ねるとお兄さんは自慢気に答えた。

「写真の黒塗りの所にマーガリンを塗るんだよ。そうして少し置いてから指で優しくこすってると、あら不思議、黒塗りだけが取れてその中が見えるって訳だ」

でも実際に見た写真は黒塗りだけではなくその奥もこすり取られたただの空白だった。

 

別の人に聞いた所、昔は人手により黒マジックで塗りつぶしたものが市場に出回っていたらしい。

多分米兵の人とかが日本に入る時に「ああ、これは日本ではだめよ」と言われて手で塗ったりしたものだろうと勝手に予想した。

だからそういうハンドクラフトの黒塗りはマーガリンなどの油を使えば取れたのだそうだ。

 

でも自分の思春期にはすでに黒塗りは印刷されていた気がする。

高校生くらいまでは黒塗りだったのが、AV普及に伴いモザイクへと変わっていった、時代の流れを感じる。