昔は道端に映画館の看板が立てかけてあり、現在公開中の映画のポスターが貼ってあった。
地元には三つの映画館があったが、全ての映画館の立て看板が小学校の通学路にあったので、毎朝、でかでかとタイトルが目に飛び込んできた。
東映、東宝系を中心にかけていた映画館のポスターは見ても微笑ましい内容だったが、後の2館はなかなか煽情的だった。
「団地妻」、「昼下りの情事」、「濡れた〇〇」、「でんきくらげ」
今だったらありえない光景だが、小学生の時には朝、「団地妻」の文字に出くわしたからと言って、その日一日変な調子になる事はなかった。
だが中学生になるとそうもいかなくなった。
刺激的なポスターを見ると、一日中その事で頭がいっぱいになってしまうほどで、特に1974年あたりは酷かった。
何と言っても「エマニエル夫人」、これにはやられた。
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