高校の修学旅行はなかなか体験できない冬の京都に触れる事ができて楽しかった。
東京駅で新幹線を降りてその場で解散だったが、丸の内線のお茶の水で降りて、駅前の純喫茶のようなパブのような薄暗い店で打ち上げをする事になった。
いつもの駅前で屯するバンドメンバー、パチンコ、麻雀仲間に加えて、四条でナンパした女子大生にすっぽかされた同級生も一緒だった。
皆でコーヒーを飲みながら煙草をふかし、雑談にふけっていると、その同級生の様子がおかしい事に気付いた。
最初は店内の照明のせいかと思っていたが、どんどん顔色が白くなっていく。
あっ、これは自分も経験ある
タバコ吸い慣れてないのに煙を飲み込むから頭がぽーっとなって貧血状態になってるんだ。
「なあ、皆がタバコふかすからこの席の周りが真っ白になって顔も見えねえよ」
その同級生に気を遣って言ってあげたつもりだったが、そいつが
「そうだ、そうだ。タバコの煙はちゃんと肺まで入れろよ」
お前のために言ってやったんだぞ。