仔牛のチーズ焼き

「山口屋菓子店」と並んで印象に強く残っているのが、大宮にあった「キッチンブルドッグ」だ。

大宮なんて滅多に行く事のない大都会で当時はまだ珍しい大宮ステーションビルという駅ビルがあった。
小学校3年のクソガキは、駅ビルの本屋で少年探偵団の「青銅の魔人」を買ってもらい、それだけで有頂天だった。

 

大宮に赴任中だった父親が、大通りから一本入ったアーケードの細い道(マップで調べたらすずらん通りとなっていたからそれだろう)に家族を案内した。
1階がキッチンだったのだろうか、階段を上がって2階に上がり、屋根裏のような狭い場所に家族が並んで食事をした。

生まれて初めて食べたのが「仔牛のチーズ焼き」という料理だった。
今ではよく食べる「ミラノ風カツレツ」ではなく、直接焼いた肉にとろーりチーズがかかっていた。

肉がこんなに柔らかくて、チーズがこんなに美味しい

ここまで美味しい食べ物がこの世界にはあるのか。
小学生の当時の自分にとっては一番のごちそうとなった。