高校生になって、出会う人が聴いている各々異なる音楽に触れるのは新鮮な体験だった。
中学校くらいまでは狭いコミュニティが全世界だから、皆同質の体験しかしておらず、外と接点のある大人や兄妹の影響がないと新しいものには目覚めなかった。
今のようにネットに情報が溢れていれば、狭い世界に生きていても世界中の事を知った気になれるが、当時は直接のコミュニケーションがほとんどだった。
だからちょっとませた奴は雑誌の「ペンフレンド募集」とかラジオのハガキ投稿とかでより広い世界と繋がろうとしていたのかもしれない。
自分はぼーっと生きていたので、そんな意識もないまま高校生になり、新しい体験についても自分から求めにいくのではなく常に誰かから与えられてきた。
バンド活動をしていて最初のコンテストに出た時に出場者の中に20歳過ぎのお兄さんたちのバンドがいた。
彼らはマーシャルタッカーバンドのコピーバンドだった。
聴いた感想は「えっ、こんなロックもあるの?」
おそらく彼らを観なければ、いわゆる「サザンロック」と呼ばれるロックに触れる事はなかった。
もちろん感動したからと言ってすぐにLPを買う経済的な余裕はなかったけど、気になるバンドになった。
ここからチャーリーダニエルズバンド、レイナードスキナード、そしてThe Allman Brothers Bandという感じで知っていくんだなあ。
The Marshall Tucker Band | 24 Hours at a Time