あの時、私にいくつもの魂が語りかけた。
ある者は自分の幸せだった前世を語り、ある者は不幸だった日々を語った。
その中には確かに私の両親、ニザラとコニのものもあったはずだ。
ルンビアの母、ナラシャナのもの、ダンデディのもの、ニライの亡くなった夫のもの――すべての魂が、やがて訪れるであろう転生の時に備えて初期化される、その前に僅かに残った記憶を私に語りかけたのだ。
救世主たる私に与えられた時間は少なく、私はあまりにも微力だ。
私はより完全なる智を求めてこの銀河を永遠に彷徨う事となるだろう。
それは、生きながらにして『死者の国』を越えた人間の宿命なのだ。
――私は父さん、母さんを無視したのでしょうか。父さん、母さん、本当にごめんなさい――
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