がらんとした広間は半分瓦礫の山で半分は無傷だったが、そこにはじいちゃん、マリス、アイシャ、デプイ、ぼく、そして眠ったままの美夜が残った。
アイシャとデプイがやってきた。
「あたしたちも行くわ。『事実の世界』になってもマリスは覇王なんでしょ。色々と準備をしなくちゃ」
「では私も」
マリスが立ち上がったのをじいちゃんが制した。
「お前はここに残れ。まだやるべき事がある」
「しかしこの世界はもう終わって――」
「もうすぐやって来る創造主に会っていけ。そうすりゃ次にやるべき事を教えてくれるよ」
マリスがアイシャたちを見送りに行くと、今度はじいちゃんが立ち上がった。
「さて、わしは行くぞ」
えっ?
「何を驚いた顔をしてる。結局この戦いの鍵はお前だった。だからお前とマリスが創造主に会い、話をする権利を有している。最初、わしはお前を戦いに巻き込んだのを後悔したが、お前には幾度となく助けられた。ここからはお前が中心だ」
何言ってんの?そうだとしてもここにいればいいじゃない?
「馬鹿だな。もう忘れたのか。『事実の世界』が戻ればあいつとの最終決戦が待っている。お前とマリスで力を合せて藪小路を倒さにゃならんぞ。わしらはその準備もあるし、先に帰っているよ」
わし・ら?
「心配するな。『事実の世界』が戻っても美夜さんはお前の事を覚えてる。それともお前は自信がないのか?」
うん、大丈夫だとは思うけど――
じいちゃんは美夜を軽々と背負うと、出口に向かって歩いていき、途中で振り向いた。
「ところでジウラン。『クロニクル』はどこまで読んだ?」
どこって9-8までだよ。全部読んでるよ
「そうかあ。不思議には思わなかったか。どうして他のエピソードと違って9-9がないんだろうって」
どういう意味?
「それはな。9-9はお前が記録者だからだ。ここまでのお前が残した日記、そしてここからの戦いの記録、お前以上に適任はおるまい?」
登場人物:ジウランの航海日誌
名 Name | 姓 Family Name | 解説 Description |
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ジュネ | パラディス | 《花の星》の女王 | |
ゼクト | ファンデザンデ | 《商人の星》の商船団のボディーガード | |
コメッティーノ | 盗賊 | ||
ハルナータ | 《賢者の星》の最後の王 | ||
アダン | マノア | 《オアシスの星》の指導者 | |
エカテリン | マノア | アダンの母 | |
リチャード | センテニア | 《鉄の星》の王 | |
ニナ | フォルスト | 《巨大な星》の舞台女優 | |
ジェニー | アルバラード | 《巨大な星》の舞台女優 | |
葵 | 《巨大な星》、『隠れ里』の当主 | ||
陸天 | 《念の星》の修行僧 | ||
ファランドール | 《獣の星》の王 | ||
ミナモ | 《獣の星》の女王 | ||
ヌニェス | 《獣の星》の王 | ||
マフリ | センテニア | ヌニェスの妻 | |
公孫 | 転地 | 《武の星》の指導者 | |
公孫 | 水牙 | 転地の子 | |
ミミィ | 《武の星》の客分 | ||
王先生 | 《武の星》の客分 | ||
ランドスライド | 《精霊のコロニー》の指導者 | ||
カザハナ | 精霊 | ||
アイシャ | マリスのパートナー | ||
デプイ | マリスのパートナー | ||
マリス | 覇王を目指す者 | ||
マル | マリスの父 | ||
ツワコ | マリスの母 |