8.1. Story 2 八年後

3 次世代の集い

 八人が戻ってから更に二年の月日が流れた。
 市邨の屋敷の庭では三歳になったアウラとヒナが遊んでいた。アウラはリンやセキにはあまり似ていなかったが、伝右衛門は大都によく似ていると言った。ヒナはもえをそのまま小さくしたような可愛らしい女の子だった。
 縁側でもえが見つめる中、セキがボールを投げ、アウラがそれをキャッチしていた。セキが重力を変えてボールの軌道を操作するので、アウラはなかなかキャッチできずにいた。
 その傍らでは白いむく犬の姿になっているヌエにヒナがじゃれついていた。
「お父さん、ずるいよー」
「ははは、悔しかったら取ってごらん」

 
 そこに美木村が一人の少女を連れて現れた。
「あら、美木さん。それに美夜ちゃんも」
「こんにちは」
「美夜ちゃん、小学校はどう?」ともえが尋ねた。
「男の子たち、皆、弱くて……」
 七歳にしては大人びて見えるショートヘアの少女が答えた。
「余計な事言わねえでいいんだ――お嬢さん、一家団欒の所、お邪魔して申し訳ありやせん」
「いいのよ。何か用?」
「いや、美夜も小学生になったんで本格的に稽古をつけてやろうと思いましてね。前から言ってたみてえにケイジに教わるのが一番だったんですが、それは叶わぬ話になっちまいました」
「そうね」
 セキとアウラもボール遊びを止めて、美木村の傍にやってきた。

「で、ケイジの弟子のセキに色々教えてもらいたいんで」
「えっ、僕が?」
「ああ、頼むよ。セキ。美夜にはケイジ流の使い手になってもらいてえんだ」
「うーん。そう言われてもなあ。教わったのは三つだけなんだ。『摺り足』、『集中』、『素振り』」
「えっ、本当にその三つだけか?」
「うん、後は本人の持つ眠っている力がどう発現するかだって。大都じいちゃんや僕は重力制御、父さんは自然。美夜ちゃんから何が出るかはわからないよ」
「美夜には自然をマスターしてほしいんだがなあ」
「皆、そう言うけどね。でも美木村さんがあれだけ強いんだから、美夜ちゃんもかなりのものになるんじゃないの?」
「そうかい。ありがとよ。じゃあ、早速帰って稽古だ。お嬢さん、お邪魔しやした」
「何、もう帰っちゃうの。おやつでも食べていかない?」
「いえ、せっかくの休みは貴重に使わねえと」
「――それで家族サービスのつもりかしら。まあ、いいわ。美夜ちゃん、又、遊びに来てね。アウラとヒナは美夜お姉ちゃんを大好きだから」
「はい」
 美夜は初めて嬉しそうな表情を見せ、帰っていった。

 
 セキともえは縁側に腰掛け、ヌエと追いかけっこを始めたアウラとヒナを眺めていた。
「ねえ、もえ。この間の話だけどさあ」
「ああ、皆で集まろうって話?」
「うん、本当にここでいいのかなあ。むらさきの所のフォルメンテーラの誕生祝いならこっちから出向くのが筋じゃないの?」
「でもおじいちゃんの具合がああでしょ。あたしが離れられないって言ったら、むらさきが来るって。ワイオリカとオデッタも来たいって言ってたから」
「子供がいる兄妹だけ?」
「と言うより、主役は子供たち。ヴィジョンで顔は見てるけど、実際には会ってないじゃない。同い年だし、一度は会っておきたいのよ」
「そうだね。順天の家族も来るから、大人が八人、子供が七人、案外の大人数だ」
「場所は西浦さんが用意するって張り切ってたわ」
「『文月リン記念館』の館長だからね。又、写真が増えるんで嬉しいんだよ」
「むらさきが久しぶりにマリスにも会いたいって言ってたの」
「マリスかあ。もう十五歳くらいになるかな。山を下りてこられるかな」
「確認してみないとね」
「美夜ちゃんにも来てもらおうか?」
「ジウランも呼びたいし――」

「ジウランかあ。デズモンドはその後どうなの?」
 セキが言うともえは首を横に振った。
「久我山の家で二人で暮らしてるみたいだけど、こっちには滅多に来ないわ。能太郎さんの件を調査してるみたい。湘南の家も買ったけどそっちは使ってないらしいの。ジウランが高校に入るくらいまでは久我山で一緒に暮らすって言ってたわ」
「デズモンド……大丈夫かなあ」
「仕方ないわよ。息子さんがあんな事になったら。あの人、ううん、ケイジもリチャードもデズモンドも、強い人は皆、哀しみを背負ってる」
「僕は?」
「文月の家系だけは例外ね。強いのにどこか抜けてる」
「そりゃひどいよ――でも楽しみだな。又、皆に会えるなんて。本当はコクたちにも会いたいけど」
「それは別の機会にしようよ。今回は『次世代の集い』」
「次世代か。いい言葉だね」

 
 最初に屋敷を訪れたのはコウ一家だった。
「よぉ、セキ」
「ああ、コウ、順天。ちょっと待って。もえを呼んでくるから」
 セキが屋敷の中に入ってもえを呼ぶ間、コウたちは庭で待った。寝そべっている巨大なむく犬に子供たちは興味津々の様子だった。
 順天に似た貴族のような顔立ちの男の子がミチ、コウの母のアダンに似た色が浅黒く気の強そうな女の子がムータンだった。
「コウ、順天。いらっしゃい」
 もえはアウラとヒナの手を握って言った。
「アウラ、ヒナ。ヴィジョンでお話したでしょ。ミチとムータンよ」
「こんにちは」
「こんにちは」

「あの大きな犬は?」
「ヌエだよ。一緒に遊ぼ」
 子供たちは揃ってヌエの下に行った。

 
「子供は無邪気でいいな」
 ヌエと戯れる四人の子供たちを見てコウが言った。
「ヒナが人見知りだから心配してたけど思い過ごしだったわ」
 もえが言うと順天が続けた。
「うちもムータンが浮世離れしていて。私に似たのかしら」
「そんな事言ったら、むらさきの所のフォルメンテーラはどうなるんだ?」
 コウが言い、セキが続けた。
「『魔公女』?」
「生まれた翌日に喋り出したっていうからな」
「ああ、そうだ」
 もえが思い出したように言った。
「おじいちゃんにも会っていって。すっかりよぼよぼだけど意識はしっかりしてるから。でも皆、自分のひ孫だと思うかも」

 
 翌日、八人揃って東京湾上の連邦出張所に行った。カフェで待っていると、ロク、オデッタ夫妻がセカイの手を引き、茶々、ワイオリカ夫妻がヴィゴーの手を引き、現れた。
「やあ、皆、元気そうだ」
 ロクが手を振った。
「調子はどうだい、王様?」
 コウが言うと、ロクは困ったような表情になった。
「止めてくれよ。《囁きの星》の次の王はオデッタさ」
「私はロクがいいと思ったんだけど、『どうしてもいやだ』って言うの」
 オデッタが言った。
「じゃあ、文月初の王はセカイまでお預けだ」
 言われたセカイはきょとんとしていた。賢そうな男の子だった。
「あら、王どころじゃなくて創造主の家系には勝てないわよ」
 オデッタが言うとコウは照れ臭そうに笑った。
「まあ、その話はいいじゃねえか――茶々、ワイオリカ。《密林の星》はどうだい?」

 
「『どうだい?』って言われても、あんまり代わり映えしねえなあ」
「ま、茶々。そんな事言って」
 ワイオリカが茶々をたしなめた。
「最近、オデッタの所から技術者を借りて、森の進行を食い止めるプロジェクトが始まったの。これがうまくいけば星は滅びずに済むわ」
「へっ、ニニエンドルの意志に逆らえるのか」
「まったく、茶々も少しは協力してよ」
 ワイオリカが不満を述べると茶々は傍らのヴィゴーを抱き上げた。ワイオリカによく似た褐色の肌の男の子だった。
「オレはヴィゴーと一緒に森の中を走り回ってる方が性に合うんだよ。なっ、ヴィゴー」
 ヴィゴーは嬉しそうに何度も頷いたが、言葉を発する事はなかった。

 
「この後の予定は?」とセキが尋ねた。
「ぼくらは《エテルの都》に行こうと思っている。母さんはセーレンセンでセカイに会ってるけど、今度はもうちょっとのんびりと観光も兼ねてさ」
「なかなかこんな機会もないから楽しみにしてるのよ」
「オレたちは《巨大な星》さ」と茶々が言った。
「あたしとヴィゴーは外の星に出るのが初めてだから興奮してるの」
「お袋も『草』の後片付けが終わったんだし、《起源の星》にでも引っ越しゃあいいんだ」
「葵ママンが簡単に長年住み慣れた土地を離れるもんか」
 コウは言った。
「まあ、説得してみるよ」

 
 八人はむらさきの到着を待った。子供たち六人はセキが連れてきたヌエと一緒になって遊んでいた。
「しかしむらさきは遅いね」とセキが言った。
「案外、先に着いてたりしてな。ルパートは次元を操れるんだろ?」
 コウが言った矢先に連邦の人間が走ってきた。
「セキさん、むらさきさんから連絡があって、もう会場にいらっしゃっているそうです」
「なっ、言った通りだろ」

 
 西浦が手配した会場は六本木にある日本庭園に併設されたレストランだった。
 セキたちが到着すると黒服の紳士が対応した。
「すみません。ペットがいるんですけど」
「本日は貸切ですので構いません。お庭の方で遊ばせて頂ければ結構です」
 紳士はヌエの予想以上の大きさに一瞬たじろいだが、すぐに笑顔になり、セキたちを案内した。
 貸切の店内を抜け、庭園に面したテラスに大きなテーブルが用意され、そこではむらさきと一人の金髪青年が話をしていた。

 
「やあ、むらさき」
 ロクが声をかけるとむらさきは立ち上がってにこりと微笑んだ。
「ごめんなさいね。行き違いになって」
「いや、いいって」
 茶々が言った。
「隣にいるのは……」
「マリスよ。ルパートを誘ったんだけど照れ臭いからって。それでここまで空間を繋いでくれたの」
「ううん、色々突っ込みたいが、順番に処理していかねえとな」
 コウが言った。
「おれや茶々はマリスとちゃんと話すのは初めてなんだ。紹介してくれよ」

 
「《祈りの星》でも始宙摩でもそれどころじゃなかったもんね」
 セキが紹介を買って出た。
「彼は文月マリス。僕らのもう一人の兄弟だよ」
「はじめまして。勝手に文月を名乗って申し訳ありません」
「気にするこたあねえよ。パパンがお前を気に入ったんだろうからよ」
 コウが笑って言った。
「ところでマリスは幾つだ?」
「はい……多分、十五か十六……あの、死んだり、生き返ったりしてるんで」
「ははは、そりゃいいな」
 茶々が笑った。
「十六っていえば、オレたちが戦い始めた年頃だ。マリスもそうするつもりか?」
「――もう、コウや茶々みたいな武闘派はそういう興味ばかりですわ」
 むらさきが苦笑いをして言った。
「それは後でゆっくりと話して下さいね」

「そうだった。ごめん、ごめん」
 コウは頭をかいた。
「今日の主役はむらさきとフォルメンテーラだったよな。フォルメンテーラは?」

 むらさきは無言で自分の席の隣の籐でできた小さな揺り籠を指し示した。そこではまだ生まれたての赤ちゃんがすやすやと眠りについていた。
「気持ちよさそうに寝てらあ」
 いつの間にか子供たちがフォルメンテーラの傍に集まって、その顔を興味深げに覗き込んでいた。
「ほら、フォルメンテーラが起きちゃうから。お前たち、庭でヌエと遊んでな」
 ヌエが緑の芝生に向かって駆け出し、六人の子供たちは一斉に後を追いかけた。

 
 食事が終わると子供たちは又、ヌエと遊び始めた。
 大人たちはマリスを含めた男性五人と女性五人に分かれて話に興じた。

「皆、元気ですね」
 芝生で転げまわる子供たちを見てマリスが目を細めた。
「僕にもああいう遊び相手がいたらなあ」
「今はこんな風に家族に囲まれてるからいいじゃねえか」とコウが言った。
「ええ、でも僕がしでかした罪を考えると、自分だけ幸せでいいのかなって」
「そんな事言ったら、ここにいる全員がアウトだぜ。皆、嫌になるほど人を殺してんだ」
「皆さんは正義のために――」
「正義なんてもんは片側から見ただけだ。人を殺した事には変わりない。茶々なんて快楽殺人の限りを尽くした暗黒魔王の再来だぞ」
「おい、コウ。オレを引き合いに出すなよ。結果としてオレは《魔王の星》の人たちの不安を取り除いてやったんだ」

「そう」
 セキが言った。
「大事なのはこれからどれだけ多くの人を救えるかだよ。過去は消せないけど、それに縛られてたらダメだ。これから救う人たちの事を考えなきゃ」
「セキはいい事言うようになったなあ」
 コウが横槍を入れ、セキは顔を赤らめた。
「セキの言う通りだよ」
 ロクが言った。
「始宙摩での修業は過去と向き合うだけでなく、未来への助走だと思いなよ。一生山にいるつもりはないだろう?」
「ええ、時期が来たら」
「早いに越した事はないよ。明海たちは君に期待してるはずだ」
「……始宙摩の方々の意識も変化しているんです。ナインライブズが現れたせいか、『無限堂』の先に行って帰った人たちが出現したせいかはわかりませんが」
「『使命を終えた』ってやつだろ。『草』と一緒だ」と茶々が言った。
「その通りです。『この銀河を見守る役目も終わりに近付いている』と。明海さんが最後の管主ではないでしょうか」
「そうするとお前も卒業だな?」
「ええ、その時には又、相談させて下さい。兄さんたち」
 マリスは恥ずかしそうに言ってから、子供たちの方に歩いていった。

 
 女性たちの話題の中心はむらさきだった。
「ねえ、むらさき。ルパートってどんな人?」ともえが尋ねた。
「普通の男性、普通の父ですわ。優しいですし、それによく笑います」
「絶対に怒らなそうね」
「セキだって一緒じゃありませんか。怒った顔を見た事ありません」
「いいわね。皆、優しくって」
 ワイオリカがウインクした。
「茶々はぶっきらぼうで――順天の所はどう?」
「口は悪いですけれど優しいですわ。茶々も同じよ」

 
「ところで」
 もえが話題を変えた。
「順天みたいに優しい天女みたいな人が、ロロの思念で蘇ったなんて未だに信じられないのよ」
「あら、もえ。言いませんでした。蘇ってなどいません。私は龍と精霊のハーフ。ずっとこの星で暮らしていたの。地球が危機に陥った時に、父から『竜王棒を然るべき人物に渡せ』と命じられたから、コウの前に姿を現したのよ」
「えっ、そうだったの。じゃあ一緒にいた大樹老人は?」
「父から渡された聖サフィの種から出た葉が人に姿を変えていたの。全てが終わったから、あの地で本来の姿に戻っただけ」

「何、その話、何。詳しく聞かせて」
 ワイオリカが言い、もえと順天、むらさきが蘇った魔の話をした。
「――ふーん、聖なる樹の葉か。余ってたら一枚もらえないかしら。《密林の星》にも植えてみたいの」とワイオリカが言った。
「ええ、管理責任者は私だから問題ありませんわ」と順天が答えた。
「だったらもう一枚、ちょうだい。《囁きの星》にも」とオデッタが言った。
「もちろん。聖なる樹がこの世界に出現したのはあらゆる星に平和と繁栄をもたらすために違いないですもの。ぜひ、持っていって」

「――ねえ、ワイオリカ」
 オデッタが言った。
「そのプロジェクト、一緒にやってみない?」
「えっ?」
「順天の言う通り、聖なる樹の本来の目的に従って植えて回るのよ。もちろん時間をかけてじっくりとだけど」
「いいわよ。そうなるともう一枚、頂きたいわ。本家の《享楽の星》の樹を真っ先に助けなきゃ」
「チオニの樹はこの星のとは比べ物にならないくらい大きいんでしょ?」ともえが尋ねた。
「でも枯れちゃいそうなんですって。茶々の先祖の起源武王の魂が乗り移って、かろうじてその身を支えていたけど、ドノスもいなくなって武王も成仏したから、あと数十年で枯れ果てるんじゃないかって」
「何だか思わぬ方向に話が発展したわね」

 
 テーブルの向こう側のセキがむらさきに声をかけた。
「むらさき、ミズチは見つかった?」
 むらさきは首を横に振った。
「いえ、結局、最後の石を届けに《七聖の座》に行って、その後の行方は誰も知らないのです。落ち着いたら王先生の所にでも行ってみますわ」
「大丈夫よ」
 順天が言った。
「その時が来れば再会するわ」
「龍のArhatの娘が言うんだから、間違いないね」
 セキは笑った。

 
 マリスがテーブルに戻った。子供たちはすっかりマリスになついて後をぞろぞろと付いてきた。
「ああ、久々にはしゃぎました」
「マリスはずっと大人の中で生きてきたもんね」とセキが言った。
「ええ、もちろんそれはそれで学ぶ事が多いんですが、どうしても甘えが出てしまう。こうして年少の人たちと交わるのも大事だなと思いました」
「マリスは十五なのにしっかりしてんな」
 コウが言った。
「おい、茶々。お前、十五の時は何、考えてた?」
「一緒にすんなよ。どうすれば女にもてるか、なんてオレは考えてなかったぞ」
「もういい加減にして」
 ワイオリカが茶々の耳をつねり上げ、一同は爆笑した。

 
「あら、フォルメンテーラが目を覚ましましたわ」
 むらさきが言い、コウが続けた。
「いよいよ、本日の主役のお目覚めだな」
 その場にいた大人たちは「生まれた翌日に話した」とか「空を飛ぶ」とかの話を耳にしていたので、興味津々で成り行きを見守ったが、意に反して、フォルメンテーラは揺り籠の中でにこにこと笑うだけだった。
 初めに子供たちが、次に大人たちが祝福の言葉を投げかけ、フォルメンテーラは楽しそうに笑い続けた。
「とても機嫌がいいみたい。皆に会えて嬉しいのでしょうね」

 最後にマリスがフォルメンテーラに言葉を贈った。
 フォルメンテーラは笑顔のまま、両手を伸ばした。マリスが顔を近付け、フォルメンテーラの手がマリスの頬に触れた。
(よくぞバクヘーリアに落ちずに、こちらの世界に転生しましたね)

 マリスは思わず体を離し、二、三歩、後に飛び退いた。
 他の人間は何が起こったのかわからず、きょとんとしていた。
「あら、何か言われたのね」
 むらさきに言われ、マリスは頷いた。
「ええ、『バクヘーリアに落ちずに、よくぞ転生した』と。逆に祝福されました」
「ははは、赤ん坊に祝福されるってのはいいや」
 コウが大笑いし、一同も笑った。フォルメンテーラも笑っていた。

 

先頭に戻る