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4 星読み
三人の男が街を歩いていた。一人はレラヴィントフからシェビと呼ばれた背の高い青年、後の二人は小太りの子供のような双子だった。片方は赤い帽子、もう片方は青い帽子をかぶっていた。
「おい、グモ。ここは《巨大な星》じゃねえかよ」
双子の片割れの赤い帽子の方が青年に尋ねた。
「その名で呼ぶな、ウムナイ」
「あっ、グモだって今ウムナイって言った、言ったよな、ウムノイ」
「どうでもいいや。それよりあっちから来る人、見ろよ」
「……ん、あれは……先生じゃねえか」
「先生だ!」
ウムナイとウムノイは通りの向こうからやって来る濃紺のローブを羽織った初老の男に向かって走り寄った。
「おや、君たち。こんな場所で会うとは」
「先生こそどうしたんだい?」
「ははは、君たちと同じだよ」
「そうじゃないでしょ、先生」
少し遅れて追いついたグモが言った。
「先生はこっちに住むつもりでしょ」
「おや、グモ君まで。三人もこちらにいるなんて何かあったのかい?」
先生と呼ばれた男は笑顔のままで尋ねた。
「先生、それよりおれの質問に答えて下さいよ」
「それはご推察に任せるよ。で、君たちは?」
「おれたちは石の力を増幅して回ってるんですよ」
「ほほぉ、実験は新しい段階に突入したね」
「だっていつまで経ってもナインライブズが出てきやしないんだもの」
「そのようだけどあまり性急に結果を求めてはいけないよ」
「そうだ、先生も一緒に石の効果を見ていかないかい?」
「いや、私は遠慮しておくよ。実は私も石を持っていてね。少し遊ぼうかと思っているんだ」
「えっ、石だって……おいらやウムノイのじゃあねえしなあ」
「ははは、別の種類の石だよ――君たち、《神秘の星》に行くんだろう。こんな所で油売ってちゃいけないな。まあ、私に会いに立ち寄ってくれたのだろうが」
「やっぱり先生もナインライブズが見たいんですね。おれたちも頑張りますから」
「じゃあ達者でな」
先生と呼ばれた男は手を振りながら人混みに消えた。