私は見た。
 かの者は、この宇宙の外にありながらこちらの世界にその居城を出現させた。
 そして私も経験した。
 はるか遠くの『死者の国』に行き多くの時間を使ったはずだったが、元の世界に帰ってみれば一瞬に過ぎなかった。
 私は聞いた。
 この世界の創造主は、自らが造り上げた世界を気に入らなければ容易く破壊する。
 今のこの『九回目の世界』が消滅を免れているのは、創造主たちが出現を心待ちにするナインライブズのおかげなのだ。
 私は知った。
 《古の世界》に現れたナインライブズは本物ではなかった。
 業を煮やした創造主は新たなる刺激をこの宇宙に与えるであろう。
 私は理解した。
 人間の微力さ、いや、無力さを。
 真のナインライブズが出現すればこの『九回目の世界』も用済みとなってしまう。
 私は決意した。
 この『九回目の世界』を終わらせないためには、絶対なる智を身に付け、後世の人々を正しい道に導かなければいけない。
それが私の旅路の果てにあるもの――
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