「父さんが新しい創造主――」
セキはぽつりと呟いた。
素粒子レベルに小さな存在のセキたち八人は空海から様々な話を聞き、下にいるリンは満足そうにそれを見上げていた。
「さあ、そろそろ一時間経つ。帰った方がいい」
唐突にリンが言った。
八人が“無限堂”に戻りかけた時、セキが立ち止まった。
「あ、父さんに確認したい事があるんだけど、こっちの声なんて聞こえないよね」
「何だ、セキ?」
「えっ、あのさ、ナインライブズは全部父さんが仕組んだ事だったの?」
リンはそれには答えず、ただにこにこと笑い、最後にこう言った。
「お前たちが外に出ると多分、二年くらいが過ぎてると思う。ロク、コウ、セキ、茶々、素敵な贈り物が待ってるから楽しみにするといいよ」
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