「くそっ、ここまで来て見てるだけなんて」
セキが叫んだ。
その時、下の部屋に異変が起こった。
何者かが扉を乱暴に開け、入ってきた。箱庭の周りにいた創造主たちは色めきたった。
「あ、あれは……」
立ち上がったセキが声を上げ、兄妹たちも下の光景を見た。
「親父……」
「父さん……」
扉の前にリンが立ち、創造主たちは驚愕の表情でそれを見ていた。
「リン文月、どうやってここに?」
「――ギリギリで間に合ったみたいだね。銀河は終わらせないよ」
「リン、聞いて。『カタストロフ』はアーナトスリが仕組んだ事で、あたしたちにはどうにもできないの――」
「聞きたくないね。君たちの中には時間を制御できる人がいるだろ。過去に戻って悪だくみを防げばいいじゃないか」
「リン、時間を戻すのはとても大変なの」
「だったらこのまま銀河の滅亡を待てって言うのかい?」
「――我々が君の希望に応えなかったらどうなる?」
「――この場で全員消えてもらう」
「穏やかじゃないな。リン、実はアーナトスリの代わりの創造主としてあんたを迎えようって話を今もしてた所だった」
「そうだ。被創造物などまた作り直せばいいだけ――」
リンは剣を抜き、静かに言った。創造主たちはいつの間にか九人と六人に分かれて立っていた。
「これ以上話をしても無駄みたいだね」
「待て、早まるな」
「天然拳!」
リンの剣先から白い光が発射され、九人の創造主目がけて襲いかかった。
光が収まると九人の創造主の姿は跡形もなく消えていた。
「父さんが……創造主を消した」
セキは喘ぐように言った――
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