「じゃあどうすれば?」
セキが言った。
「どうにもならんな。指をくわえて見ているしかできん」
空海が答えた。
「仕方ねえな。どうにもできねえんじゃ」
コクは空海と同じように腰を下ろした。
「見ているしかできないのは辛いな」
ハクも腰を下ろし、他の兄妹たちもそれに倣った。ヌエはいつの間にか、空海の傍で寝そべっていた。
「――空海さんの話を聞かせて下さいよ」
ロクが興味深そうに尋ねた。
「ふむ、それもそうだ。おんしたちの役に立つかはわからんが――
――ノカーノと共に行動したおかげで宇宙の存在に気付く事ができた。
曼荼羅とは宇宙、宇宙を知れば曼荼羅の真の意味にたどり着ける。
もっと知りたい、そう思い、始宙摩を開き、更なる真理の道を追究した。
そうして、とうとう生きながらにしてこの宇宙、銀河が造られている場所へとたどり着いた。
しかしその道は観察者の道。見る事はできても手を出す事のできないものだった――
「おれが戻ったルートが正解って訳かい?」
コウが尋ねた。
「――おんしは最近までここにおったの。その通りじゃ。結局、真理を我が物にするには恐ろしく長い道のりを旅しないといけないのじゃ」
「でもそのように長生きしてらっしゃる」
むらさきが尋ねた。
「ここと外とでは時の概念が違う。ここでの数時間が外での一年という場合もある」
「何でコウは影響を受けなかったの?」
茶々が尋ねた。
「それは正しい道を通ったからだ。正しい道を通れば、この景色も普通のあまたある銀河の一つに過ぎない」
「いずれにせよ長居はできないって事ね」
ヘキが言った。
「だが今のままでは創造主を止められぬ。いっそここで永遠の命を手に入れるのもありかもしれん」
「そんな訳にはいかないよ。皆を救わなきゃ」
セキは立ち上がった――
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