不思議な気分だった。透明な桟橋の上を歩いているようで、見下ろせば遥か下には巨大な水槽のようなものがあった。
『無限堂』の扉の先に進んだくれないを除く八人はとんでもない場所に来てしまったのを実感した。
「ここは?」
茶々の声がした。
「ここは『上の世界』、創造主のいる場所だ。見覚えがあらあ」
コウが言った。
「でも縮尺がおかしくない?」
ヘキが言った。
「とにかく進もうぜ。創造主を止めないと銀河が――」
コクの言葉の途中で別の声が響いた。
「これ以上進んではならん」
現れたのは髪も髭も伸び放題の老人だった。
老人は八人の前でどっかと腰を下ろした。
「あなたは――空海?」
ロクが言った。
「左様。ノカーノの子供たちよ。道を間違えたな」
「それはどういう意味でしょう?」
ハクが尋ねた。
「確かにここは創造主のいる”上の世界”。ここから世界の全てを見る事はできるが何かを行う事はできない。つまりは正しい道を通っていないという意味じゃ」
「私たちは創造主を止めないといけないのです。通して頂けませんか?」
むらさきが言った。
「それは無理じゃ。今のおんしらは芥子粒より、いや、素粒子よりも小さな存在。そんな状態では創造主に一太刀どころかひっかき傷さえ与える事はできん」
「じゃあどうすれば?」
セキは言った――
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