7.6. Story 3 王宮への途

 Story 4 青年王

1 蘇った記憶

無双のケイジ

 西の都にも夜明けが近付いていた。
 ロクは緊張しながらキザリタバン救出の手順を反芻した。
「まず雷獣に乗ったハクが口火を切る。ケイジが気配を消したままキザリタバン殿を救い出し、城壁から降り注ぐ攻撃をぼくの乗ったポッドで蹴散らす――」
 ロクはベルリンでの戦いの後で、ポッドに更なる改造を施していた。今は廃墟の遊園地に隠してあるが、ポータバインドで呼び出せばすぐに駆けつける。
 唯一の心配はコクだった。ヴァニタスの行動如何によっては計画通りという訳にはいかなかった。

 
 広場で起こったどよめきにロクは我に返った。都督庁のぶ厚い金属の扉が押し開けられ、そこから武装した兵士たちの一団が現れた。
 兵士たちの中心には両腕を後ろ手に縛られたキザリタバンの姿があり、広場の中央に設けられた処刑台に引っ立てられていった。

 その時、別の場所で小さな叫び声が上がった。ハクが動いたに違いない。ケイジも呼応するはずだ。自分もポッドを呼び寄せておいた方がいい、ロクがそう考えて広場の人混みから離れ、ポータバインドを使おうとしたその時、群衆の間から大きな歓声が上がった。
 ケイジ、やったか――ロクは大急ぎでポータバインドでポッドを呼び寄せてから群衆の中に舞い戻った。

 
 処刑台の傍に兵士たちが倒れ、キザリタバンが驚愕の表情を浮かべていたが、その傍らにいたのはケイジではなかった。いや、ケイジであればそもそも姿が見えないはずだ、立っていたのはコクともう一人の男だった。

 ロクは群衆の一人を捕まえ、何が起こったかを問い質した。
「びっくりだよ。いきなり空からあの二人が降りてきて兵士たちを倒したんだ」
 ロクが人混みをかき分けて群衆の最前列に出るとコクが気付いたようだった。
「おい、こいつを助けるんだろ。ケイジの手を煩わせるまでもない。ほらよ」
 コクはキザリタバンを立たせると後ろ手の縄を切り、ロクの方に突き出した。

 ロクが群衆の中から一歩進み出てキザリタバンを迎えようとすると、ようやく異変に気付いた兵士たちがロクたちを取り囲むように集まった。
 群衆は叫び声を上げて波が引くように後退し、広場はロクたちを中心にそれを包囲する兵士たち、そこから少し離れて遠巻きにする群衆にはっきりと色分けがされた。

「キザリタバン殿」
 ロクがキザリタバンの体を支えながら言った。
「ご無事でよかった」
 キザリタバンは無言で頷き、一つ微笑んだ。ロクの背後にいた群衆の一人がロクの耳元で囁いた。
「キザリタバンは預かります。ロク殿はご自分の為すべき事を」
 ロクは背後を振り返った。群衆の中の数名はキザリタバンの同胞だったようだ。

 
 ロクたちを包囲する輪が距離を縮めたその時、ロクの背後の兵士たちが音もなくばたばたと倒れた。
「私の出番を奪うとはお前の兄も相当だな――ロク、ここから出て予てからの行動に移れ。ハクも暴れている」
 姿は見えず声だけがした。ロクはキザリタバンを背後の男たちに任せ、走り出した。

 広場に残ったコクは隣のチャパに言った。
「ケイジが現れたようだ。うかうかしてると美味しい所を全部持ってかれちまう。いくぜ」
 コクの腕の盾から雨虎が飛び出し、コクはその背中にまたがると包囲する兵士たちに突っ込んだ。
「けっ、ケイジってのは本当に見えねえんだな。これじゃあ首を刎ねられても文句は言えねえ。広場はケイジに任せて、おれは大路で暴れるか」
 チャパはそう言うと懐から石を取り出し、『ワームホール』と唱え、できた穴の中に消えた。

 
 都の大路で雷獣にまたがって暴れていたハクの下に、ポッドに乗ったロクが合流した。
「ロク、キザリタバンを奪還したようだな」
「うん……でも予定とは違ってた。コクが突然現れて」
「なるほど。” Worm Hole ”とかいう石の力だ」
「ハク、気にしてないの?」
「何を。キザリタバンが助かればそれでいいじゃないか。それよりも計画通り、ロクは都督庁広場のバルコニーにいる火砲の部隊を殲滅してくれ」
「わかった」
 ポッドが猛スピードで去るのを見送って雷獣が口を開いた。
「お前の弟、自信なさげだが大丈夫か?」
「大丈夫、ロクはおくてなだけさ」
「ふーん、どうでもいいけどな」

 
 ハクが大路を西に向かって進むと東から何かがやってきた。雨虎にまたがったコクだった。
 ハクとコク、雷獣と雨虎の目が合い、四者は大路の中央で一瞬向き合った。
 初めにハクがにやりと笑い、それを見た雨虎がにやりと笑った。コクもにやりとし、最後に雷獣が大笑いした。
 そのまま言葉を交わす事なくハクとコクは東と西に別れていった。

 東に走りながら雷獣が言った。
「いつおっ始めるかと思ってひやひやしたぜ」
「別に。コクと戦うのが目的じゃないからね。あくまでもドノス打倒が目標さ。コクの目的はわからないけれど、向こうも私と戦う事ではないはずだよ」
「まあな。だがお前の弟の中にはそのへんの道理をわかってねえのがいるじゃねえか」
「セキか――大丈夫さ。南の都がそんな簡単に落ちるとも思えない」
「他の都の様子はどうなってる?」
「それぞれの都にいる『草』に聞けばわかるけれど、それよりも当面の敵を倒すないと」
「もっともだ」

 
 広場に残ったケイジは気配を消したまま兵士たちを斬り捨て、広場には瞬く間に兵士たちの死体の山が築かれた。
 バルコニーで飛び道具を携えている兵士たちも姿が見えない相手に攻撃ができず、手をこまねくだけだった。
 ケイジは百人近くを斬り捨てた所で突然足を止めた。

(どうした、ケイジ?)
 鬼哭の問いかけにケイジはしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「……この感じ……覚えている、覚えているぞ」
(何がだ?)
「私はかつてこの都で戦った事がある。お前は……そう、お前は『閃光剣士隊』、ツクエ将軍の得物だった。そして私はカムナビこと起源武王の家臣だった」
(ようやく思い出したか。だが一つ誤りがある。千年前、主はこの都に戦いに来たが、戦う事なく行方不明になったのだ)
「……それはどういう意味だ?」
(知らぬ。ツクエがそう言ったのを聞いただけだ)
「……私がここからはるか遠くの《青の星》で目覚めたのと関係があるか」
(ますますもってわからぬな)
「そうだな。まずはこの一戦に集中しよう。記憶はやがて戻る」

 
 ロクのポッドが広場に飛び込んだ。ポッドは広場を取り囲む城壁に待機する飛び道具を携えた兵士の群れに高速回転しながら突っ込んだ。コマに弾かれるように兵士たちが次々と倒れた。右の城壁、左の城壁を片付けて、ポッドが奥の城壁に移動しようとした時に重々しい音を立てて都督庁の扉が開き、そこから大型の火砲が何門も引き出された。

「自ら都を破壊するか、愚かな」
 地上で兵士たちを斬っていたケイジは新たな敵の登場に肩をすくめた。
(ケイジ、どうする?)
「さて、どうするかな――ちょうどハクが来た。後は奴に任せて大路に移動しよう。ちと気になる事がある」
 ケイジは広場に入ってきたハクに気配を消したまま近付き、耳元で何事かを囁いた。ハクは頷き、ケイジはそのまま広場を出ていった。

 

セキとコク

 都の大路ではコクとチャパが兵士たちを倒していた。
「はははは、気持ちがいいったらありゃしないぜ」
 チャパは笑い声を上げながら続々と湧いてくる兵士たちを斬り捨てた。
「おい、チャパ。プロロングのシップが到着したぞ」
 コクの言葉通り、西の都のはずれのポートの方向からプロロングが五十人ほどの手練れを率いてやってくるのが見えた。

「早かったな。空はもう片付いたか」
 チャパがプロロングに声をかけた。
「はい。未望の船団の指揮は見物でしたよ。あれだけのシップの群れを短時間で壊滅させるとは」
「当たり前だ。未望は……おっと、おれがスカウトした人材に誤りはねえんだよ」
「……ところでバイーアの姿が見当たりませんが」
「あいつは暗殺者だ。こんな時でも地中に潜んでじっと相手を待ってるんだろ」
「ターゲットは誰でしょうね?」
「さあな――そんな事より祭りの始まりだ。皆、心して暴れろよ!」

 
 広場に入ったハクはバルコニーに残っている敵をロクに任せ、新たに現れた巨大な火砲にあたった。
「問題ないぜ。特大の雷をお見舞いしてやる」
 雷獣の言葉にハクは大きく頷き、都督庁の前に突っ込んだ。

 
 プロロングが率いる援軍が到着し、都の大路は混乱を極めた。ヴァニタスの精鋭たちは都の兵士たちを容赦なく追い詰め、いたぶり、殺した。
 都の兵士たちはその数を減らし、次第に逃げ腰になった。大路に出て積極的に戦うのではなく、大路の商店や民家に立てこもり、抵抗する光景が増えた。そんな場合でもヴァニタスの団員たちはお構いなしに建物を破壊し、中にいる人間を惨殺した。

 
 大路の裏手の路地の奥に一軒の建物があった。二階建てのその建物は怪しい商いをしているという噂のある、窓が小さく、まるで要塞のような作りをしていたが、西の都を守っていた一団の兵士たちがそこに逃げ込んで抵抗を続けていた。ヴァニタスの精鋭たちも攻めあぐねている所にチャパがやってきた。
「へへぇ、面白いじゃねえか。行き止まりの奥じゃあ、正面からしか攻撃できない。そこを二階から狙い撃ちっていう寸法か」
 チャパはそう言って周囲を見回し、どの方向からも攻撃できそうにないのを確認した。
「じゃあやるか」
 石を手に取ろうとしたその時、背後から声がかかった。
「見つけたぞ」
 チャパが振り返るとそこには大剣を担いだセキが立っていた。

 
「――おめえは、確か文月の」
「よくもコウを消したな」
「あの生意気な野郎か。何ならおめえも飛ばしてやろうか。コクの実の弟だって容赦しないぜ」
「許さないぞ」
「へへへ。こんな狭い場所でその大剣を振り回すってのか。隙だらけで石を使うまでもないな」
「剣を抜け」
「だったら相手してやるよ――」

 
「――俺がやる」
 チャパとセキが同時に振り向くと路地の入口には雨虎に乗ったコクがいた。コクは雨虎を盾の中に戻すと路地を進んだ。
「コク……」
 コクは捻じれた刀身の剣を抜いて二人の前に立った。
「チャパ、あんたが出るまでもない。こいつは俺に任せてくれ」
「へっ、そいつは見物だな。じゃ、実の兄弟の立合いを見届けてやるか」
 チャパとヴァニタスの男たちは一歩退いた。行き止まりの娼館に立てこもる都の兵士たちも何が起こっているのかわからずに攻撃の手を休めた。
「……コク」
「いくぞ。この剣の放つ力に耐えられるかな」

 
 コクはいきなり剣を振り上げ、セキは手にした大剣で刃を受け止めた。コクは連続して剣をふるい、セキはそれを受け止めながら徐々に路地の奥へと追い込まれた。
「この狭い路地では自慢の大剣も振り回しようがないな。それっ」
 セキはとうとう行き止まりのチオニの兵士たちが立てこもる建物の軒先に追い込まれた。後ろ手に戸を開けようと試みたが、中から鍵がかかっていて開かなかった。
 コクの一撃を頭の上で受け止めたセキだが、大剣の剣先が建物の軒に刺さって抜けなくなった。
「万事休すだな。何だったら大剣をあきらめてその腰に差したもう一本の剣で俺を突けよ。炎で焼き殺してみろ」
「……コク」
 軒先に引っかかったまま動かない大剣からコクの剣が離れ、コクは大きくふりかぶった。セキは目を見開いたまま、動きを止めた。

 

鬼哭の死に場所

 ケイジは広場を出て滑るように大路を動いた。西の都の破壊は大分進み、もはや廃墟に近かった。
(千年前と一緒だ。ドノスは破壊された都を短期間で立て直したが、今回はそのドノスすらいなくなる。果たして復興するものか)
 鬼哭の何気ない言葉にケイジは答えた。
「鬼哭、人間というのは素晴らしい生き物だ。これだけ打ちのめされても必ずや又立ち上がる。何とも愛すべき存在ではないか」
(ずいぶんと感傷的な――ときにケイジ、どこに向かおうとしている?)
「ちと野暮な真似をしたくなった。修羅場を止めようと思っている」
(なるほど。人を斬り過ぎ、その反動で仏心が芽生えたか。ツクエもそうだった)
「偉大なる将軍と同列に語ってもらって光栄だ」
(ふふん――ケイジ、あそこではないか?)
「――さすが鬼哭だ。実の兄弟が殺し合うなどという光景は犬も食わん」

 
 ケイジは気配を消したままで路地の入口に立った。路地の奥では背中を向けたコクが大剣を持て余すセキを追い詰めている所だった。
「我が弟子が無様な」
(そうは言っても助けるのだろう)
「あの背中を向けている男――あれがセキの実の兄だ」
(――よほど恨みでもあるのか。本気で殺すつもりだぞ)
「うむ、本気だな」
(それにあの剣、儂以上に邪悪な気を放っている)
「お前は別に邪悪ではない。だがあの剣は邪剣だな」
(いつか持ち主の魂を吸い取る。存在してはならぬ剣だ)

 
 とうとうコクがセキを行き止まりの建物に追い詰め、セキの大剣が軒先に引っかかり、動きが止まった。
「――これまでか」
(あの小僧、何故もう一振りの銘刀を使わんのだ?)
「それができる男ではない。どれ、出ていくとするか――」
(待て、ケイジ)
「何だ」
(儂をあの邪剣に向かって投げつけろ)
「馬鹿を言うな。命よりも大事な刀を投げる訳がなかろう」
(いいから投げろ。儂があの剣の邪気を全て無に帰す)
「無に?この間のように吸い取るのではないのか?」
(――儂は長く生き過ぎた。本来はツクエと共に生涯を終えねばならぬ所を、ツクエがあのような形で剣を置いたために死にそびれてしまった。だが再びお前のような強い剣士と共に戦え、今絶好の獲物が目の前にいる。これ以上の機会はない)
「しかし」
(お前が死に場所を探しているように儂も死に場所を探しているのだ。早くせい)
「鬼哭――」

 
 ケイジは背中を向けて剣を振り上げたコクの頭上目がけて鬼哭を投げつけた。
 コクの頭上で白い光が弾け、周囲は目を開けていられないほどのまぶしさに包まれた。
 光が去った後にはコクもセキもチャパもヴァニタスの海賊たちも皆倒れていた。チオニの兵士たちが立てこもっていた建物は跡形もなく消えて更地に変わっていた。
 ケイジは気配を戻し、コクの傍らの地面に刺さっていた『鬼哭刀』を手に取った。刀は刃こぼれもせず、青白い光を放っていた。
「鬼哭……」
 返事はなかった。

 

共闘の提案

「ううーん」
 最初に目を覚ましたのはセキだった。
「……あれ、ケイジ。いつの間に?」
 次に目を覚ましたのはチャパと海賊たちだった。
「ちきしょう、とんだ邪魔が入ったぜ……誰だ、おめえは?」
 チャパは初めて見るケイジに言った。
「ケイジだ」
「……一番会いたくねえ奴に会っちまった――あーあ、やめだ、やめ。すっかり興ざめだ。てめえら、引き揚げるぜ」

 チャパが部下を追い立てて路地から出ていこうとするとコクが目を覚ました。
「……うーん、ケイジ。あんたの仕業か」
「そのくらいにしておくのがいい。そうは思わぬか?」
 ケイジは帰ろうとするチャパに問いかけた。
「ああ、まったくだ。実の弟を本気で殺そうとするなんて、こいつはいかれてら」

「……だったらチャパ、そのクレージーさに免じてもう一つ、わがままを言わせてくれ?」とコクが言った。
「何だよ」
「こいつらと一緒にチオニの内部に侵入しようと思うんだが――」
 コクはそう言ってから素早くチャパに目配せをした。
「――いいぜ。まだ暴れ足りねえんだろ。おれたちは上空のシップで待ってるから行ってこいや」
「という訳だ。これから期間限定ではあるが共闘させてもらおう。いいな、ケイジ」
 ケイジは黙って頷いた。
「いいな、セキ」
 セキも黙って頷いた。

 
 チャパと海賊たちが去って、ケイジ、コク、セキも大路に戻った。
「ケイジ」とコクが言った。「あんたのせいで大事な剣が力を失った」
「それはこちらも同じだ。むしろ感謝してもらいたい」
「あんたは全部見抜いてたって訳かい。この剣はいつか俺を食っちまうって」
「人を食らって力とする。恐ろしい剣だ」
「でも『こっちも同じ』ってのは?」
「この刀も意志を持っていたが天寿を全うした。ドノスの最後を見せてやれなかったのは心残りだ」
「……ケイジ、ありがとよ」

「礼には及ばん。それよりもセキ、お前こそコクに礼を言え」
「えっ?」
「まだわかっていないようだ。コク、お前から言ってやれ」
「ちっ、恰好悪いな――お前は追い詰められた時、その腰の刀で俺を刺そうと思えば刺せたはずなのにそうはしなかった」
「当たり前じゃないか」
「あの時、俺は本気でお前を殺そうとした。だがお前の心の中には『コクは本気じゃない』という気持ちがあった。それがお前のいい所かもしれないが、そんなのは戦場ではただの甘えだ。その甘えがあったからコウがあんな事になったんだ」
「……ありがとう」
「まあ、しばらくは一緒に戦うんだ。いきなり襲うような真似はしないから安心しろよ」

 
 すっかり廃墟に変わった大路を抜けて都督庁の広場に入るとハクとロクが待っていた。
 ハクはコクの姿を認めて険しい顔つきになった。
「ケイジ、一体これは?」
「これから王宮を目指すのに少しでも人手があった方がいい。ドノスは手強いぞ」
「よろしくな」
 コクが手を上げると盾から雨虎が飛び出し、同じくハクの盾から雷獣も飛び出した。二頭は対面を喜び、子犬のようにじゃれ合った。
「へっ、奴らはいいな。誰が敵か味方か本能的にわかってる」
 コクが言うとハクが答えた。
「コク、それは彼らに邪心がないからだ」
「ほぉ、まるで俺が何か企んでるみたいな言い方だな――」
「二人とも止めなよ。一緒に戦うんだから。敵はドノスだよ」とセキが言った。
「セキの言う通りだ」とケイジが言った。「他の都の面々はもう都督庁内部に侵入しているかもしれん。こちらも急ぐぞ」

 

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