『ルゴスキーの日記』より抜粋
数千年の時を経て、今宵、この教会の遺物が新たなる英雄たちに引き継がれた。
あの厄介な『鬼哭刀』を受け取ったのはワンガミラの剣士だった。
何が起こるかはらはらしたが、豈図らんや、鬼哭は素直に剣士の手に納まった。刀の昔からの顔見知りという事であったが、そんなはずはない、きっと私の聞き違いだろう。
『グラヴィティスウォード』は華奢な青年の手に納まった。か細い体であの大剣を使えるはずがないと心配したが、青年は教会の庭で大剣を軽々と振って見せた。何でも重力を制御するとの事。恐ろしい時代になったものだ。
最後にシロンの『スパイダーサーベル』は可愛らしい女の子の手に渡った。これは良い受け渡しだと思った。シロンが男の振りをした女性だったという点からもふさわしいと納得したが、よくよく聞けばその可愛らしい女の子は男性だというではないか。一体、何がどうなっているのか。
だがこれでこの教会が長きに渡って担っていた役割は終わった。後は憎きドノスを討つのみ。戦士たちに栄光あれと祈るばかりである。
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