ジウランの航海日誌 (2)

 Chapter 3 岐路

20XX.8.XX 銀河覇王

「そう言やあ、大事な話をしてなかった」
 間もなく《花の星》に到着しようという時にじいちゃんが話しかけた。ぼくらが怪訝な顔をしていると勝手に話し始めた。
「『銀河覇王』になろうとしているのはお前らも知ってる奴だ」
「事実の世界に登場する人物という意味ですか?」
 まだエピソード7を読んでいる途中の美夜が言った。
「ん、ああ、破壊し尽くす暴虐の王だ」
「もしかするとドノス?」
「違う。こっちの世界ではそのドノスが苦もなく捻られたって話だ」
「手強いですね」
「そのまま戦っても勝ち目はねえ」
「このまま手をこまねいている訳にもいきませんよね」
「もちろんだ。奴は《虚栄の星》を手始めに銀河の上半分の制圧に取り掛かる。どこかで食い止めないといけねえな」
「それをあたしたちが――」
「そうだ。このゲームに勝つってのはそいつを打ち破る事だ」
「でもどうやって?」
「だから、これから銀河の上半分の勢力を結集させようって話じゃねえか。そうすりゃ勝機も見えるってもんだ」
「そうですよね。リチャード、ゼクト、コメッティーノ、水牙、ジェニー、ランドスライド、皆、銀河の上半分にいらっしゃるんでしょ?」
「――まあ、上手くいきゃいいけどな」

 

登場人物:ジウランの航海日誌

 

 

 Chapter 3 岐路

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