又、桜の季節がきた。
来年の桜が咲く頃には私は二十歳、きっとこの山を降りる。
私は街から街を彷徨い歩き、これぞと思う男と契る。
それがこの山の掟、はるか未来につながる道なのだそうだ。
そうやって私はとびきり優秀な子を世に残す。
私は知っている。山の誰もが私を懼れている事を。
それはもちろん私の凄まじい能力に負う所は多い。
でも皆は裏に回れば私を『死人の子』と嘲っている。
笑いたい者には笑わせておけばいい。
私は気高き死者と銀河の英雄の血を引いているのだ。
そう言えばあの泣き虫だった子も今頃はどこかの星で元気に暮らしているのかしら。
アカボシ、いつの日か私たちの人生がどこかで交差するのでしょうか?
その時、この銀河はどのような在り様になっているのでしょうね。
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