「ちょっといいか?」
「どうされました?」
「苦情が来ている」
「どこからです?」
「向こうのスクールだ。ジノーラの署名がある――公式のものだ」
「内容は?」
「他の者の造った箱庭で悪さをする者がいる、との事だ」
「こちらの世界の者だという証拠でも?」
「転生を繰り返す、のだそうだ」
「どこの馬鹿者ですか?」
「それがわかれば世話はない――どうだ、調査に行ってもらえぬか?」
「場所は――これはずいぶんと遠い」
「うむ。だから冷凍航法で行ってもらおうと思う」
「……しかしあの航法は事故が続発しております。目覚める事がなかったり、目覚めても記憶を失ったり」
「仕方ないだろう。空間をつなぐ技術を持つあいつらからの苦情だ。あいつらに頼んで借りを作る訳にはいかん。我々だけで何とかせねばならんのだ」
「やれやれ、わかりました。では行きましょう」
「おお、受けてくれるか。では早速準備をしよう」
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