《享楽の星》を語る上で欠かせないのが、都チオニの中心に聳える大樹である。
その樹はある日突然、姿を現した。樹はあれよあれよという間に千メートルに達しようかという高さまで成長し、都の繁栄を象徴する存在となった。
そしてまた、新たな繁栄の象徴が登場する。その男がどこで生まれ、どこで育ったのかは定かではなかったが、『善王』、『開明王』と呼ばれ、チオニを治めるようになった。
本人は、自分は王などではなく一介の宗教家に過ぎないと主張し、いつからか『開明大司空』という名が定着する。
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