ジウランと美夜の日記 (2)

 Chapter 3 救世主

20XX.7.24 加速

 バイトが朝10時に終わり、家に帰ると、当然だが美夜の姿はなく、テーブルの上にはラップのかかった朝食が乗っていた。ミーシュカは散歩にでも行ったのだろうか、姿を見せなかった。
 久々にアジの開きと味噌汁、ご飯の食事を取り、幸せな気分に満たされたままでPCを立ち上げると、デスクトップに「美夜からジウランへ」というメモが残っていた。

 

 ジウランへ

 お帰りなさい。
 朝ご飯食べて、しっかり休んでね。

 さて、昨夜のあたしの進捗をお伝えします。

 Ep.1 三界 Tribes
 Ch.1 《古の世界》
 Ch.2 暗転

 一晩でここまで読むなんてなかなかでしょ。
 ジウランは昼前くらいに起きるでしょうから、バイトが始まる時間まで適当に読み進めて下さい。

 では内容について簡単に記します。
 エピソード1は遠い昔の世界の物語、そこでは人間は奴隷で、『空を翔る者』、『水に棲む者』、『地に潜る者』の三界と呼ばれる種族が世界を支配しています。
 三界は互いにいがみ合っていたため、空を翔る者の皇子リーバルンと水に棲む者の皇女ナラシャナの恋は悲劇的な結末を迎えます。
 二人の間にできた子、ルンビアとその親代わりのサフィ、彼らが今後の話の中心になるのかしら。教えて下さいね。

 それでは仕事に行ってきます。

 美夜

 

 当たり前と言えば当たり前だが、やはり一人で読んでいた頃に比べると圧倒的にペースが速かった。
 これから幸せな眠りについて、それから夕方までエピソード1の続きを読む事にしよう。

 

登場人物:ジウランと美夜の日記

 

 
Name

Family Name
解説
Description
貫一葉沢内閣調査室勤務。身寄りのないシゲの世話をし、ジウランたちに協力を申し出る
もえ市邨美夜が「おばさん」と呼び慕う女性
釉斎天野『パンクス』日本支部長
ケイジワンガミラの剣士

 

 Chapter 3 救世主

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