6. Chapter 2 銀河連邦

 Story 1 大海を知る

 会議場に治安維持隊が乗り込んだ。
「何事かな。会議中ですぞ」
 進行役らしき男は闖入者たちに冷静に注意をした。
「議長。貴方が帝国と内通しているという通報がありました。調査の結果、通報に相違ない事が判明したので、たった今より貴方を拘束します」
「何かの間違いでしょう。ちゃんと調べましたか?」
 進行役の隣の男が一人の兵士に向かって言った。

 兵士たちが黙っているとテーブルを挟んで議長の反対側に座った男が口を開いた。
「その話は私も耳にしております。事実であれば残念ながら議長職を辞して頂かないとなりませんな」
「私も同意見です」
「私も」
「私もです」

「お主たち、結託しているな」
 議長の側に座る初老の男が声を荒げた。
「結託とはおだやかではありませんな。かばい立てするようですとカーリア王といえども同罪ですぞ」
「……」
「議長、おっしゃりたい事はございませんか?」
「ない。私が調査に対して疑義を挟むようであれば、何のための分権か示しがつかない。ただ我が息子だけには今後の身の振り方を話しておきたいのだが」
「なりませんな。今この場でポータバインドをデプリントします。さあ、この男を連れていけ!」

 

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