「明日から稽古はしばらく休みだ」
「うん、万博、今から楽しみだなあ」
「父親と一緒に出掛けるのは初めてか?」
「そうだね、父さんはいつも忙しいから……ケイジも行きたかった?」
「馬鹿を言うな。この姿で人前に現れたりすれば、どんな騒ぎになってしまうか」
「そうだね」
「それに『人類の進歩』と言っているが、この程度の文明など全く話にならない。ただのお祭り騒ぎだ」
「『人類の進歩』じゃないよ。『進歩と調和』だよ」
「同じ事だ。調和と言うなら何故自然と寄り添わない――子供に言っても仕方ないか」
「ケイジは何にでも厳しいね」
「……いいか、リン。休みから戻ったら今以上に厳しい稽古になるぞ。お前が自分の身を守れるようになり、そして人を守れるようになるまで修行は行うからそのつもりでな」
「はい、ケイジ先生」
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